三重県認可の専門学校 厚生労働大臣指定の養成施設

伊勢リハ☆ブログ

脱臼について

体のことを聞きました
みなさん、こんにちは。
伊勢リハ広報室です。

今回の体シリーズは脱臼について、熊谷先生に伺いました☆


ー脱臼とはどんな状態ですか?

脱臼とは相対する関節面(関節頭と関節窩)が
正しい位置関係を失っている状態をいいます。


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※ 関節面の適合性が良いほど関節の安定性は増します。
脱臼した状態では、関節は不安定でスムーズに動かすことができません。


ーどんなことが原因でしょうか?

原因としては、強い外力によって関節が生理的可動域を超えて動いた場合が多いとされています。
また、骨折を伴えば、脱臼骨折といい、比較的軽度の外力や関節運動で
容易に関節が繰り返し脱臼を生じるような状態を反復性脱臼と呼びます。
脱臼は、以下のように分類することができます。

分類状態
(1)程度による分類完全脱臼、亜脱臼
(2)原因による分類外傷性脱臼、病的脱臼
(3)関節面の相対位置による分類前方脱臼、後方脱臼、上方脱臼、下方脱臼など
(4)時期による分類先天性脱臼、後天性脱臼


ー脱臼しやすい人というのはありますか?

はい。関節が柔らかい(関節弛緩)人や生まれつき骨の形に異常がある場合、脱臼しやすいと言われています。

ー一度脱臼するとクセになると聞きますが、本当ですか?

はい。そうですね。すべてではありませんが、例えば、外傷による肩関節の脱臼の場合、
整復後は断裂した関節包などの軟部組織が修復するまで、約3‐6週間の固定が必要といわれています。
一定の固定期間の後、肩関節周囲の筋力増強・可動域改善などを試みますが、
軟部組織の緩みや破綻が残ると軽微な外力でも簡単に脱臼するようになることがあり、
これを反復性脱臼(脱臼グセ)と呼びます。


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その2に続きます。



参考文献:
「病気がみえるVol.11 運動器・整形外科」 MEDIC MEDIA
「標準理学療法学・作業療法学 専門基礎分野 整形外科学 第4版」 立野 勝彦・著
「PT・OT基礎から学ぶ運動学ノート 第2版」 中島 雅美・他 編
「反復性肩関節脱臼」 日本整形外科学会(スポーツ損傷シリーズ パンフレット) 
「膝蓋骨脱臼」 日本整形外科学会(スポーツ損傷シリーズ パンフレット)