三重県認可の専門学校 厚生労働大臣指定の養成施設

伊勢リハ☆ブログ

柔軟性とは

体のことを聞きました
みなさん、こんにちは。
伊勢リハ広報室です♪

さて、理学療法士というとリハビリの専門家なわけですが
そのためには、当然ながら筋肉や骨など
体に関することを勉強しなければいけません。
そう、「体のプロ」なのです。

そこで、体に関する素朴な疑問、悩みなどを本校の教員にぶつける
「体のこと」シリーズをスタートすることにしました~!

第1回目は、柔軟性についてです。
お答えいただくのは、櫻本先生です。


―まず、体が柔らかい方が良いと思うのですが、どうして柔らかい方が良いのでしょうか?

柔軟性は身体活動や姿勢の維持など活動的な日常生活を営むために重要な役割を担っています。
柔軟性の低下はスポーツ外傷・障害との間にも密接な関係があり、傷害発生要因のひとつとされています。

また、誰しも加齢と共に柔軟性は低下するといわれています。
日常生活のさまざまな場面で姿勢の変化や立つ・歩くなどの動作に変化が生じます。
その結果、怪我の発生や転倒のリスクも高くなるといわれています。

ー確かに、中高生の頃、部活動で「体が硬いとケガにつながるぞ」とは言われていました。
毎日ストレッチしている割には大して柔らかくはなりませんでしたが…。
では、硬いことはデメリットしかないのでしょうか?


硬いことのメリットは、お答えできにくい質問です。
ただし、過可動性つまり関節が動きすぎても怪我などにつながることはいわれています。

―そうなのですか?!柔らかい方が良いけど、特別柔らかくなくても大丈夫ということなのですね、安心しました。
そもそも体が柔らかい・硬いって、どうやって判断するのですか?
立位体前屈や長座体前屈でつま先に届かなければ硬いなとは思うのですが…。


一般的には、体育などで実施されている立位体前屈や長座体前屈などが指標になると思います。
ただし、長座体前屈などはあくまでも複数の関節の簡便な検査になります。
リハビリテーションの分野ではひとつの関節ごとに検査を実施します。
より専門的には筋肉の活動と連動させて柔軟性を測ることもあります。

オープンキャンパスのリハビリ体験でも測っていますね!
では、柔らかい人と硬い人では、体格や先天的な特性など、違いはあるのですか?


柔軟性と体格の関連では、体重・皮下脂肪厚、体表面積などと関連があるか調べられています。
例えば、とても大柄な人(150kg以上)は限られた柔軟性しかないというのは誤解です。
脂肪などの影響で計測が難しいことはありますが、筋肉の柔軟性に関しては差がない結果であったといわれています。
体格においては筋肉の厚みがあるほど筋肉から受ける受動トルク(筋肉を押したときに跳ね返ってくる抵抗力)が大きくなるといわれています。

先天的(遺伝的)な違いでは、例えばエーラス・ダロンス症候群といわれる遺伝性の難病があります。
その一つの症状として、柔軟性が過度になることがあります。
柔軟性は双子を対象とした研究がされていますが、柔軟性は筋力や運動能力以上に遺伝的な影響を受けやすい可能性があることが言われています。

―えっ、そうなんですか?!過去にさかのぼって自分に教えてあげたいです。
毎日ストレッチしても特に柔軟性が変わらないので、けっこうコンプレックスだったんですよ!
でも、それを言い訳にしてストレッチをさぼっていたかもしれないので、今知って良かったかもしれませんが…。



次回に続きます。