三重県認可の専門学校 厚生労働大臣指定の養成施設

伊勢リハ☆ブログ

もう転倒なんてしない2

体のことを聞きました
「もう転倒なんてしない」その2です。

前回、上手に走るポイントとして、「腸腰筋(ちょうようきん)」の働きについて伺いました。
さらに掘り下げて教えてもらいたいと思います。


ー具体的にどうしたら良いでしょう?

腸腰筋は、走ることでも鍛えられ、普段走るときの姿勢を少し変えることで
動作中に腸腰筋が強化されています。
走り方のポイントは後ろ脚と着地位置です。
私たちは、普段、着地した脚を蹴って、体を前に出そうとしますが、
腸腰筋を使うには、蹴って体を前に出すのではなく、体を前に脚を後ろへ上げるようにします(図2)。

図2



着地位置にも注意し、後ろから引き上げた脚を地面につけるとき、
自分の体の真下につけるように意識しましょう(図3)。

図3


脚が前に出たときは、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)が働きます(図4)。

図4



つまり、腸腰筋が最も使える走り方は、後ろ脚を引き上げて脚を体より前に出さないように着地することです。
走っているときに上半身が前につんのめるようなイメージがわかりやすいかと思います。


ー久々の運動で心配なのがケガです。どんなことに気をつければ良いでしょうか?

ウォーミングアップを行い、筋肉や全身の血流を良くしてから運動を行うことをおすすめします。
また、トレーニングをせずリレーに参加すると、肉離れや捻挫などケガの危険性も高まります。
運動習慣のない人は、運動会の前からウォーキングを始め、
徐々に軽いジョギングを取り入れていくなど、関節や筋肉、心肺系を徐々に慣らしていきましょう。

ジョギングはリレーのようにスピードを意識せず、
小走りで終わった後に少し疲れたような感じ残る程度が良いと言われています。
これから秋が深まりますが、日中は暑くなります。
大人は、子どもたちに比べ、日ごろクーラーの効いた快適な空間で過ごしていることが多く、
炎天下での運動に体が適応しにくく、熱中症の危険も高まります。
適度な暑さへ体を慣らしておくとともに、運動の前後で水分補給もしっかり行う必要があります。


ーやはり、一朝一夕でどうにかなる魔法はないということですね…。
これを参考に、来年に向けてがんばります!



<参考文献>
「大腰筋の筋横断面積と疾走能力及び歩行能力との関係」久野 譜也
「老年期障害 理学療法学テキスト」村田 伸 他
「基礎運動学」中村 隆一 他