三重県認可の専門学校 厚生労働大臣指定の養成施設

伊勢リハ☆ブログ

体幹とインナーマッスル

体のことを聞きました
お待ちかねの、体シリーズです。
今回は、体シリーズ初登場・林先生にお答えいただきました!


ー体幹やインナーマッスルという言葉を耳にします。イメージとして同じような感じがするのですが、違いはありますか?

体幹とインナーマッスルは、完全にイコールではありません。

体幹とは体の部位を表す用語で、頭と手足をのぞいた胴体部分を指し、
骨盤・背骨・肋骨を合わせた骨と筋肉を指します。
インナーマッスルは体の深い所にある筋肉のことです。

体の表面にある筋肉はアウターマッスルといいます。
アウターマッスルはムキムキに見える人もいるため、イメージしやすいです。
それに対して、インナーマッスルは、体の表面にないためわかりにくいです。
体幹部にあるアウターマッスルは、腹直筋(ふくちょくきん:お腹の中心)、脊柱起立筋群(せきちゅうきりつきんぐん:背中の中心)で、
インナーマッスルは、腹斜筋(ふくしゃきん:お腹の横)や腹横筋(ふくおうきん:腹直筋の下)などです(図1)。


図1*クリックで拡大できます



ーということは、目的や条件などによって「体幹を鍛える」か「インナーマッスルを鍛える」かが違うということですか?

目的や条件によって鍛え方をわけて考えることが必要です。

インナーマッスルは座ったときなど、姿勢を保つような動作で、少しの力で働きます。
インナーマッスルが正しく働かないと腰痛や背中が曲がるなどの問題が出てきます。
また、スポーツで強力な力を発揮するのはアウターマッスルなのですが、
このときにも、インナーマッスルが陰で働いている必要があります。
組体操でのサボテンをイメージし、下の人がインナーマッスル、上の人がアウターマッスルと考えてみて下さい(図2)。
上の人がまっすぐ立つためには、下の人が安定して立ち続けることが必要です。


図2



インナーマッスルを鍛えるには、少しの力で正しく働くことを目的に鍛えます。
例えば、インナーマッスルである腹横筋のトレーニングは、
図3のように臍の下に手を置き、筋肉の働きを確認しながら、息を吐きながら臍の下に力を入れ、
息を吐くと同時に力を抜くような動きを繰り返します。
正しく行わなければ効果は出てきません。

図3 腹横筋の鍛え方 *クリックで拡大できます


体幹トレーニングというと、上体起こしのようなダイナミックな動きを行い、
筋肉全体を鍛え、スポーツ中に強い力でよいパフォーマンスができることをめざします。

ー図3ですが、単に呼吸してるだけになってしまいそうで、これ、ちょっと難しいですよね…。
ありがとうございます!




参考文献
「ぜんぶわかる 筋肉の名前としくみ事典」 肥田 岳彦 著
「筋骨格系のキネシオロジー原著第2版」Donald A Neumann著
「理学療法30巻9号988-997,2013」 大江 厚 著
「理学療法34巻10号899-907,2017」脇元 幸一 著