三重県認可の専門学校 厚生労働大臣指定の養成施設

伊勢リハ☆ブログ

腰痛って…

体のことを聞きました
お待たせしました。体シリーズです。
今回は、Yo!で2なアレ、そう、腰痛です。
漢字で書くといかにも辛そうなので
YO2とか表記してみたらどうでしょうか。

まあ、そんなことより本題に入ります!

ー前回の肩こりでは、原因疾患がたくさんありましたが、腰痛も同様ですか?
また、病気のサインであるような、注意が必要な腰痛はありますか?


「腰痛」とは病気の名前ではなく、腰部を主とした痛みや張りなどの不快感といった症状の総称です。
一般に坐骨神経痛を代表とする脚の症状を伴う場合も含みます。



腰痛は原因が特定できる「特異的腰痛」と厳密な原因が特定できない「非特異的腰痛」に分けられます。
腰痛の約85%は非特異的腰痛です。
そのため、通常は「腰痛症」とは「非特異的腰痛」のことを指します。

原因が特定できる腰痛として、
「腰椎椎間板(ようついついかんばん)ヘルニア」と
「腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)」、
「腰椎圧迫骨折」などがあります。
腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症は腰痛自体よりも
坐骨神経痛を代表する脚の痛みやしびれが主症状として表れます。

特異的腰痛原因
腰椎椎間板ヘルニア腰の骨と骨の間にある椎間板が突出または脱出し、坐骨神経の始発駅部分である腰の神経を刺激することが原因
腰部脊柱管狭窄症腰骨の加齢変化に伴い、腰の神経を圧迫することが原因
腰椎圧迫骨折高齢者の骨粗鬆症が主な原因




他の病気のサインとしては、尿路結石や解離性大動脈瘤で腰痛が出現することがあります。

ー腰痛といえば「ぎっくり腰」もありますよね。性別や年齢などは関係ありますか?

ぎっくり腰はいわゆる急性腰痛発作のことであり、
不意の動作(特にひねり動作)時、急に起こることが多いです。
大体は原因不明ですが、多くは椎間関節内への滑膜嵌入(かつまくかんにゅう)によるものと言われています。
椎間板ヘルニアであることもあるようです。
滑膜嵌入の場合は、数日で腰痛が軽快します。
性別や年齢などの関係は分かっていません。

*嵌入:はまり込むこと

ーもしギックリ腰になってしまった場合、どのようなことに気をつければ良いでしょう?繰り返すことはありますか?

ぎっくり腰は椎間板が原因となっている場合、繰り返すことが多いという見解はあります。
しかし、基本的に原因は分からないため、繰り返すかどうかは不明です。
ただし、ぎっくり腰にならないために、急に体をひねるなど不意の動作は避ける、
運動習慣をつけるなど生活の中で気を付けていくことが大切であると考えます。
次に、腰痛になりやすい方の特徴をまとめます。

―やはり腰痛になりやすい人というのがあるのですね。

腰痛になりやすい方は、職種や生活習慣、精神面が複合的に関与していることが多いです。
職種としては重労働である介護職や運輸業の方が6~7割が腰痛を訴えています。
つまり、重量物を頻繁に扱ったり、腰を深く曲げる・ひねることが多い作業が腰痛の原因となることが多いです。
これに加え、運動不足であったり、喫煙するなどの生活習慣であること、
または仕事に対する満足度、うつ状態などの精神面が腰痛を悪化させてしまうケースが多いようです。

ー腰痛と肩こりの両方に悩む人もいますよね。因果関係はありますか?

腰痛と肩こりの両方が起こりやすい原因としては、
腰骨の並びの歪みによる筋肉や筋膜の動きを阻害することや筋肉の緊張などが考えられます。
「腰は腰」、「肩は肩」と別々に考えてしまいがちですが、
人間の体は骨・筋肉・筋膜などで繋がっています。
つまり、一か所に問題が発生した場合、連鎖して他の部分に障害が起こる場合があります。
例えば、腰骨の並びが歪んだ場合、骨の周りを支えている筋肉の位置もずれるため
通常よりも筋肉が緊張したり緩んだりしてしまいます。
その不具合が腰痛に繋がったとします。
すると、同時に繋がっている筋膜や筋肉の動き方が変わってしまい、
肩周辺の筋肉も緊張し肩こりを併発してしまうという連鎖が考えられます。

ーなるほど!1つの問題が連鎖していくのは、外交や経済の問題とも似ていて、非常におもしろいです。



参考文献
厚生労働省ホームページ:
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/anzen/dl/1911-1_2d_0001.pdf
「日本腰痛会誌8(1):106-114,2002」兵藤 弘訓,佐藤 哲朗ら 著
「標準整形外科学:533,2012」内田 淳正 著
「腰痛診療ガイドライン2012:16-24,2012」日本整形外科学会/日本腰痛学会 著
「結果の出せる整形外科理学療法:81・92,2010」山口 光國,福井 勉ら 著