ストレッチングって?その2
体のことを聞きました
ストレッチングについてさらに具体的に聞いてみたいと思います。
―では、競技によってストレッチングのポイントは違いますか?このスポーツならこの部位を重点的に行った方がいいとか。
スポーツによって求められる柔軟性は競技やポジションによっても大きく異なってくると思います。
さらに、競技者の個性(身体の使い方や姿勢など)によっても異なってきます。
ですので、一概にここがポイント!ということはお答えしにくいです。
実際、本校が指導に伺っている伊勢工業高等学校バレーボール部でも、
全体メニューとは別に個別で対応するケースがよくあります。
その際は柔軟性だけでなく、姿勢や動作をしっかり評価して対応していきます。
競技だけでなくヒトの動作をサポートするのが理学療法士の役割の一つだといえます。
ーストレッチングを行う際の注意点を教えてください。
まず第一に安全性の確保が重要です。
一番の目的は競技者なり患者様の柔軟性を正しく評価し、
最も安全で効率的な方法を選択することだといえます。
二つ目に医学的な検査の重要性です。
これは一つ目の安全性の確保に通じるところですが、ストレッチングを行うべきではないケースもあります。
例えば血管の構造に問題があり、その過程である種のお薬(例:抗凝固剤)が投与されているときなどは、
血管に負担がかかってしまうことがあります。
理学療法の現場では医学的検査で何らかの異常が確認された場合は医師に確認し治療を選択します。
少し難しいお話になってしまいましたが、
以下はスタティックストレッチング(数十秒間じわーっとストレッチングをする方法です)の
留意点についてポイントを絞ってお伝えします。
・1日に30秒3回以上
・1週間に3日以上
・湯上がりに行う
・息を吐きながら行う
・少し痛い程度の強さで行う
・目標を設定しておく
以上、ストレッチングの留意点についてお伝えしました。
ストレッチングについてはヒトを対象とした研究や動物や細胞を用いた実験などが日進月歩で行われています。
なかでも最近では動脈硬化の改善に効果がある可能性が指摘されています。
可能性ですから今後の更なる報告に期待したいですね。
そうなのですね!ストレッチング中につい息を止めてしまう人って多いと思います。
呼吸にも気をつけないといけませんね。
参考文献:
「柔軟性の科学」 マイケル J オルター 著
「ストレッチングの科学」 鈴木重行 著
「リカバリーの科学」 長谷川 博 監訳
CURRRENT CONCEPTS IN MUSCLE STRETCHING FOR EXERCISE AND REHABILITATION. IJSPT.2012 Feb; Vol 7:109-119 Phil Page